母と私と双極性障害

母がひどい双極性障害(I型)を患っていることは以前の記事に少しだけ書いた。

実は4月の半ばから母の躁状態がひどく、昨日、母が入院したと連絡があった。

母は私が小学校に入る前から、つまり私の今の年齢より若いうちから、躁うつ病(現・双極性障害)で入退院を繰り返している。
母は新卒から公務員として働いていたけれど、そんな中で発症したらしい。
当時私は子どもで「母が病気で入院している」ということしかわからなかったし、私が私の双極性障害を自覚してからも、母の詳しい話はまだ聞いていない。
母が最初は精神分裂病(現・統合失調症)と誤診されていたという話は聞いたことがある。
おそらく自殺未遂をして輸血したこともあるようだ。
私が物心ついてからも、母はパートで働き始めてもすぐ状態が悪くなって辞めるということを繰り返していた気がする。

とにかくそんな母の元で育ってきて、お薬手帳の記録を遡ると私は17歳のときに初めて心療内科に行ったらしい。
しかし、母と比べれば、私は「思春期のただのメンヘラ」だと思っていた。これまでかかってきた医者が、私について明確に「躁うつ病双極性障害)」と診断を下したわけではないのも原因の一つである。

自分の「ただのメンヘラ」が双極性障害らしいと自覚したのは2020年の7月ごろで、困ったことをやらかした友人が「パーソナリティ障害かもしれない」といろんな検査を受けていたときに、厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」というサイトで精神の病気一覧を眺めて、「私は双極性障害II型ではないのか?」と気づいて、かかりつけの精神科医に聞いてやっと判明した。
でもそのときの処方は、抗精神病薬の「アリピプラゾール」と、抗うつ薬の「デュロキセチン」で、それで安定していると勘違いしていたので「自分の病気=ただのメンヘラ」という認識は変わらなかった。

お薬手帳をたどると、新卒の頃に「リチウム」という、双極性障害の治療といえばこれ、という薬を飲んでいたこともあるのだけれど、結婚をきっかけにやめていた。「リチウム」は妊娠した際に飲めない薬なので、当時の医師は処方をやめたようだ。

とにかく私は自分が母と同じ「双極性障害」という病気である自分を受け入れることも出来ていなかったし、薬も合っていなかった。
初めて心療内科に行ってから17年も経っていて、運良く高校も大学も留年せず卒業しているけれど、職歴はごちゃごちゃだ。

でもまあ、30代前半のうちに気付けたんだから良かったかもしれない。今年に入ってから病気の本をたくさん読んで、やっと自分と母のことがわかってきた。
私はたぶん運の良い人間なので、仕事を辞めてもいまのところは失業手当で生活できているし、失業手当が終わったらそのときはその時でどうにかなる気がする。

早く母の躁が治まって退院できるといい。母の詳しい話を聞きたい。