「メンヘラ」という言葉が邪魔をする

長らく双極性障害を患っているのだけれど、いままでそれを受け入れることができなかった。

ここ数年は週5フルタイムの仕事に就けていたし、日常生活に支障が出るようなことはほぼなかった、と勘違いしていた。
去年の12月に、職場でストレス負荷がとても大きい出来事があって、それからひどい躁状態になってしまった。
どうでもいいことでキレて後悔するし、余計な買い物をしてはまた後悔するし、本を読もうとすると数ページで脱落するし、落ち着いていられずに何かやることを探してしまう。

心療内科から処方されている薬を変えてもらった。今まで飲んでいた抗うつ剤をやめてラモトリギンという薬を徐々に増やしている。
双極性障害に関する本を買った。今は全然本が読めないので、目次から必要なところだけ読んでいる。
カフェインを取りすぎないように、以前は1日3杯も飲んでいたコーヒーを、今は午前中に1杯だけにしたし、デカフェの紅茶やルイボスティーを飲むようになった。
限界を感じたのでここ数日は仕事を休んで毎日たくさん寝るようにしている。
買った本には、躁状態のときは3日間10時間以上寝ろと書いてあったけど、意図して10時間も寝ることはなかなか難しい。

私は今まで自分の精神疾患を受け入れてこなかったんだなと思った。
実は私の母も双極性障害で、今の私よりもっと若い頃から数年前まで入退院を繰り返していた。
母の精神疾患に比べれば、自分の精神状態は「ただのメンヘラ」だと思っていたし、「ただのメンヘラ」を表に出すのも嫌だったから、自分と同じような境遇の人をあえて探したり、自分の精神疾患を前提に人と話したりすることもなかった。

でもあらためて双極性障害の本を読んでみたら、自分の状況を客観的に見ることができるようになった。
正直に言って今の私の状態はかなり悪い。クレジットカードの利用明細がそれを物語っている。

「メンヘラ」という言葉は私がインターネットに触れ始めた2000年代半ばにはすでに存在していて、主に蔑称として使われている言葉だと私は認識している。
「メンヘラ」と「精神疾患」は違うのに、同一に考えている人はある程度存在して、「うつ病」イコール「メンヘラ」だと思っている人もいると思う。私がそうだった。

Twitterのプロフィールに自分の患っている精神疾患名を書きたくない。飲んでいる薬を書きたくない。そんなことをしている人たちと関わりたくない。
ずっとそう思って自分の精神疾患と向き合えないままでいた結果、今のひどい状態があると理解できた。

インターネットの人たちは割と気軽に「メンヘラ」とか「病んでる」とかいう言葉を使っているように見える。
でも、そういった言葉が「精神疾患」とイコールではないことを心に留めておきたいし、その理解が世の中に広まって欲しいと思う。

私みたいな人が減ってほしいなんておこがましいことは思わない。
これは自戒のために書いた記事だ。


この本が私にとってかなりの指針になった。私に自分の状態を気づかせてくれたことをありがたく思う。