坂口恭平『躁鬱大学』を読んだ

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6日に行ったショッピングモールの書店でたまたま見つけて買った本。
著者の坂口恭平さんのことは「電話番号を公開していのちの電話みたいなことをやっている人」としか知らなかったけれど、ぱらっと読んで今の自分に必要だと思って買った本だ。
一週間かけてやっと全部読んだ。

前の記事でも書いたけれど、めくるページめくるページ全部自分のことが書いてある。
あまりにもびっくりして「著者はエスパーか!?」と思っていたら「もしかして超能力? って思っちゃったりしてませんか?」と書いてある。びっくりした。

しかしこの本を読んでずいぶん救われたというか、楽に考えられるようになった。
今までの自分は仕事も長く続かないし、やれば何でも出来るけど何もかも中途半端で、理想と現実がかけ離れていた。
「なんでこんなにダメなんだ私は」と思う一方で、調子がいいと「私天才じゃん! 最高!」などと思い、また余計なことをやらかしてずっこける。
自分の性格も根性も最悪だ、と思っていたけれど、そもそも典型的なそういうタイプの人間(この本でいうところの典型的な「躁鬱人」)なので仕方ないという結論に至れた。

今までものすごく自分の状況を深刻に考えていた。医師である南中さくら先生の書いた『みんなの双極症』を読んで、どうにかこの精神疾患と付き合っていかなければ、と思っていたのだけれど、この『躁鬱大学』を読んだら「ま、病気でも楽しく生きられるっしょ」と割り切って好きなように文章を書くことができている。

この本を読み始めてすごく納得して、文章を書くこととやりたいことをやることを生活のメインに変えてから、精神状況がやばい時の頓服薬として処方されているロラゼパムを飲まずに済んでいる。その前までは「1日2錠まで」という条件が厳しすぎると思うことさえあったのに。

しかし好きなことだけやっていても生活できるわけではないので、少し休んだらまた働き始めると思う。
でもたぶん今までのように「きっちりかっちり社会人をやるぞ」とは思わない。

しかしこの本を見つけて本当に良かった。本当に気が楽になった。